プロとアマの違いは?
私は長年、合唱の伴奏をしている関係で、いわゆるアマチュアとして長年合唱一筋の人生を歩んでいる人を何人も知っている。また、某音大を出て、どこどこに留学してきたというと、一般的には“大先生”と思われているけど、「いったい何を勉強して来はったんやろ?」と思うような、音楽的にアマチュアっぽい人も知っている。どうもプロとアマチュアの境目がわかりにくい。
普通は、音楽で収入を得ている人を「プロの音楽家」と言い、そうでない人を「アマチュア」と言うのだろうか?
でも、他に生業を持っていても、音楽ででもギャラを得ている人もいるし、音楽だけを仕事にしていても、収入は僅か、という人もいる。(世の中きびしい!)
音楽的なレベルで考えても、一流は別として、プロの人が優れていて、アマの人が劣っているとは、必ずしも言い切れないところがある。これは問題だ!だいたい、プロ(のつもりの人)が、アマいんだ!プロとしての厳しさから逃げて、過去の経歴に胡座を書いている人がいる!また、世間も、経歴だけで、素晴らしい音楽家だと誤解している場合があって、そのことも似非プロを助長させている。(あ〜、怒られそう・・・^^;)そして、いつの間にか自分自身でも、自分の実力がどの程度なのかわからなくなっていて、平気で人前で演奏してしまう。(もう袋叩きだ!)
そんなことから、アマチュアとして長年、音楽をやっている人達は、「プロ」というものに対して、とても厳しい見方をするのではないだろうか。「プロのくせに・・・」とか、「あれでプロ?」といった言葉を、私は何回も耳にした。
しかし、この辺で少し「プロ」のかたを持つことも書いてみよう。音大を出たからと言って、即プロでもないけれど、音大に行こうという人は、一応小さい頃から音楽の勉強を続けて来た人が多い。そして、受験という苦難を通り過ぎ、音大に入ってからも、他の文学部等の学生のように遊んではいられず(遊んでいなかった人はごめんなさい。)、レッスンと試験に追われる。そういう試練を超えて身に付けたものは、それなりのものではあるだろう。(もちろん、音大に行かなくても別の方法で勉強し、素晴らしい音楽家になっている人もいる。)楽しいはずの音楽が「音が苦」になってしまうような苦労を超えてこそ、本物だと思う。でも、受験曲だけをがんばって入ったものの基本的なことができていない人もいれば、才能に恵まれず壁にぶつかってしまう人もいるだから、卒してからも仕事として演奏活動していこうという人は、ほんの一握りではないだろうか。
よく、音楽は趣味として楽しむ方が幸せだという。仕事となると苦しみが多いから。
結局、プロとアマの違いは、苦しみが多いか楽しみが多いかの違いだろうか?