演奏会のチケット
演奏会をするたびに考えさせられるのは、私のような者の演奏を、チケットを買って聴きに来て下さる方を、あだやおろそかにしてはならないということだ。
演奏会のチケットを、音大の先生の場合は、ご自分のお弟子さんに、一人何枚づつかを強制的に持たせる方もあるようだ。ある方などは、4000円のチケットを20枚づつ持たせ、売れようが売れなかろうが関係なく、8万円を納めなさいとおっしゃって、払わなかった生徒がいたら請求書が来たという話もある。
私は、そういうやり方は嫌いなたちなのでもあるが、自分の少ない生徒は、めったに演奏会に来てくれない。今まで何度か、お願いの手紙を添えてチラシとチケット2〜3枚を生徒に渡したことがあるが、ほとんどの場合、「都合が悪くて行けません」と、返されてくる。なぜなのだろう?お母さん方が忙しい人が多いのか?そんなものに行く必要を感じない人ばかりなのか?そんな物好きなことばかりしないで、教えることだけ熱心にやっている方がいい先生だ、と思っているのかな〜と考えてみたり・・・。いつもがっかりするので、この頃は、渡さないことにしている。
わたしが頼りにするのは、合唱人達だ。いつも伴奏している合唱団の人たち、そして時々単発で伴奏を頼まれるコーラスの人たちが、私のお客さんのほとんどだ。でも、私は口べたで押しが弱く、チケットをお願いするのが大の苦手なので、心やさしい親切な方が、自分から言ってきてくださる。あ〜なんとやさしい方たちなのだろう!
コーラスをしている人たちは、一般的には音楽好きなわけだが、中には、超一流の有名な人の演奏会しか聴く価値がないと決めているのかな?と思われる人もいる。三大テノール・・・とか、・・・のオペラとか、は何万円も払って行くのに、私の演奏会には、一度も来てもらったことがない人もいる。まあ、それぞれの人の価値観だから仕方がない。
とかなんとか言っているもので、私はいつも、演奏会のチケットを売るのが下手だ。だったら演奏会なんかするのをやめればいいのに、またやってしまうのだ・・・・・